種(タネ)の話 僕たちは何を食べているのか
4月17日の「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?&MARKET」に出店するので、種について、知っていることを整理しておこうと思います。
「遺伝子組み換え種なんて日本に関係ないやん。『遺伝子組換えでない』っていう表示のものを選んでるし。」
って言う人もいてるかもしれないですが、遺伝子組み換え種と日本は既に密接な関係にあります。
ということで、意外に種のことって知らない人もいるんじゃないかな〜、そういう人の参考になればなぁと思い、記事を書いてみます。
と言っても、僕は専門家でも農家でもないので、詳しくは自分で調べてね。
遺伝子組み換え作物の話の前に、作物の種について簡単に抑えておきましょう。
作物の種は在来種(固定種)、F1、遺伝子組み換え(GMO)の3種に分類されます。では、それぞれの特徴について、簡単に記述します。
在来種について
在来種は、農家が昔から地域の風土にあったものや、味覚に優れた種を選び、生き残ったものといえます。数年前から各地で伝統野菜を復活させようという動きが活発ですが、それも在来種のことですね。
在来種を守る活動をしている企業・団体としては、ダントツ有名な「野口種苗」さん、身近なカフェでも手に入れやすい「たねの森」さん、友人の池島くんが関わっている「ひょうごの在来種保存会」、会えそうで会えてないジョンムーアさんが主催している「シーズ・オブ・ライフ」などが挙げられます。
F1種子について
現在日本の市場に出回っている作物の種は、ほとんどが「F1(一代交配種)」と呼ばれる種です。
F1とはfirst filial generationの略で、別々の品種を組み合わせて作る雑種のこと。いわゆるハイブリッドと呼ばれるもので、例えばハイブリッドカーはガソリンと電気、異なった動力で動く車のことです。
F1は遺伝の法則を利用して作られる種で、雑種の一代目は、両親の優性形質だけが現れます。例えば、病気に強いスイカの品種と形の良いスイカの品種を交配させ、病気に強く形も良い品種を作ることができます。
F1は農作物に限った話じゃなく、牛や豚など、畜産業でも同じように行われます。
F1の品種は種苗メーカーが次々に新しい品種を開発していますが、経済効率性が一番優先されるので、形が揃うことや病気、虫に強い品種が残る傾向にあります。
F1がどのように開発されてきたのか、また、その問題点などについては、在来種を守り続けている野口種苗さんが詳しく書かれているので、そちらのサイトを参考になさってください。僕も以前聞きに行きましたが、各地で講演会もされていますので、機会があれば参加してみてくださいね。
遺伝子組み換え種について
そして、F1よりもさらに経済効率性を上げようとして生まれたのが遺伝子組み換え種(genetically modified organism、GMO)です。
その効率性を特徴づけるのが、農薬耐性遺伝子組み換えと害虫抵抗性遺伝子組み換えの2つ。農薬耐性遺伝子組み換えは、ラウンドアップなどの特定の除草剤をかけても枯れないように遺伝子を組み換えたもの。
害虫抵抗性遺伝子組み換えは、害虫が食べたら死ぬタンパク質を作り出すことができるように遺伝子を組み替えたもの。害虫は死ぬけど、人間には無害だから大丈夫ということらしいです。
F1とGMOの違いですが、F1はスイカならスイカの2品種を組み合わせる、牛なら牛の2品種を組み合わせるといった具合でしたが、GMOの場合はスイカとバクテリア、牛とバラなど、全く異なった生物の遺伝子を組み合わせることができるという違いがあります。
日本とGMOの関係
さて、日本とGMOの関係性ですが、日本は既にGMOの輸入大国です。
とうもろこし、大豆、菜種などは実に輸入の8割以上がGMOとのことです。大豆はしょうゆなどに、菜種は油、と言った具合に様々なものに加工され、日本の食卓に上がっています。法律の表示義務も100パーセントではないため、日本人は知らず知らずのうちにGMO由来の食べ物をたくさん食べていることになります。
また、GMOの米についても試験栽培が行われているので、近い未来、日本の米がGMOに変わっていくかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょう。種のことについて、ざっと書いてみましたが、知ってることばかりでした?知らないこともありました?
種は今後、F1からGMOへどんどん置き換わっていくでしょう。そんな重要なタイミングですが、日本ではGMOについてほとんど議論になっていないことが心配です。
おそらく今後も大きな話題にはならない気がします。
となると、自分で学ばないといけない。
と言っても、ネットで調べようとすると情報が多すぎて、なかなか頭に入ってこないですよね。
まずはGMOとはどういうものか、楽しく学んでみたい。そういう方には、映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?(以下、『パパ』)』は最適かもしれない。『パパ』は父親が子どもが食べているものについて、特にGMOについて、各地でインタビューを行い、学んでいくロードムービーだからです。
ということで、4月17日の「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?&MARKET」は、ぜひ気軽にご参加くださいね。
と、最終的にこれが言いたかったんですけどね。
イベントの概要
日時:2016/04/17 (日) 11:00〜
場所:イロリムラ
大阪市北区中崎1丁目4番15号
地下鉄谷町線「中崎町」駅1番出口徒歩2分
http://irori2005.com
Facebookページ:https://www.facebook.com/events/1740254249541732/
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