意志を引き継ぎ、次の世代に伝える
意志を引き継ぎ、次の世代に伝える
先駆者達との出会い
僕が農業に関心を持ち始めて、農家めぐりをしていた頃、いわゆる有機農業運動に関わっておられた方々からお話を聞く機会がありました。市島の橋本さんや、能勢の尾崎さん、京都の槌田さんなど。
当時はオーガニックはもちろん、有機農業という言葉も一般的でなかった時代。農薬や化学肥料を使った農業について、疑問を持つ人なんていなかったそうです。
そんな時代に、知り合いの全くいない地方に移住し、有機農業を広めていった生産者さんの話は、どれも衝撃的すぎて、僕の甘ったるい価値観を揺さぶるには十分過ぎるものでした。
意志を引き継ぐ者たち
そして時代は変遷し、有機農業運動・提携活動(CSAの源流)は縮小し、当時のことを語る人は少なくなっています。
しかし、それは有機農業が目指していたビジョンの意義が失われたわけではなく、社会の構造や消費者のライフスタイルなどの変遷が大きな原因だと思います。
そこで必要になってくるのは、今の時代に応じたデザインでビジョンを伝えていくことです。
僕のミッションも、パンを使った食のデザインですし、僕の仲間はそれぞれのやり方で既にそのミッションに取り組み、実績を出しています。
以前インタビューさせていただいたいレギュームの光岡さんや、プラスリジョンの福井さん。教育関係で働いている谷口さんもそうでしょうし、EATLOCALKOBEの小泉さん、安藤さん、夕雲舎の池島さんもそうでしょう。他にももっとたくさんの仲間が意志を引き継いで活動しています。
次の世代を担う人たちへ
ですが、当然、さらに時代は変わり、今後訪れる本格的な第4次産業革命を迎えると、人々の価値観やライフスタイルも大きく変わっていくはずです。その変化を敏感に感じとるのは、次世代の食のクリエイターだと考えています。
僕に何ができるのか分かりませんが、積極的に次の世代を担う人たちと関わって、僕らが引き継いだ意志を次の世代に伝えていければと思っています。
今月開催する「小麦の美味しい話2017」でも、次世代を担うであろうお二人をスタッフとして迎えています。
natural marche HareBareの安保知実さん、「せと果」の藤原亜紀さんです。
ほかにも、食のクリエイターとして活躍しそうな若い人たちとつながり始めています。ぶさべじの久保さんや、Furanの松井さんもそうでしょう。
時代を切り開いて来た先駆者の意志を引き継ぎ、自分の事業に全力でコミットする。
そして、次の世代に繋いでいく。
それが僕がミッションだと考えています。