流行らないパンを作る

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流行らないパンを作る

はじめに

日々パンと向き合いながら、ブーランジェリー・ドリアンさんの『捨てないパン屋』(cobotoのこともちょこっと触れてくださっています)を読みながら、自分は今後、どんなパンを作っていきたいのか考えています。
一方で、巷ではこんなパンが流行ってますよーという情報もたくさん入ってきます。
「コッペパンブームの次は、やわらかい高級食パンブームが来てて、どんどん新しいお店ができているよ。coboto bakeryでも、もっと柔らかくて、甘い食パンをたくさん作れば売れるのに。」
と言われることもありますが、コッペパンの店も高級食パンの店も行ったことがないし、その流れにはあまり興味がありません。

どんなパンに興味があるか


僕が惹かれるのは、「土の香りがするパン」「生産者の顔が見えるパン」、「シェフの想い・知識が昇華しているパン」です。
僕はもともと農家になろうと思っていたので、そこが関係しているのかもしれないですが、パンになる前のフェーズに興味があるんです。
著名なデザイナーである原 研哉さんの「プロダクトはある土壌に生えた樹になる「実」のようなものであり、「実」は土壌の品質の反映でもある。」という言葉を聞いた時、僕がなぜ流行りの「実」に関心がないのか、どういうパンに目を奪われるのか、分かった気がしました。

しっかりデザインされたパンを作る意味


小麦などの生産物を作ろうと思うと、長い時間をかけて土を作っていかないといけません。が、流行りのパンは1年2年で廃れてしまい、また別のパンに注目が集まります。
その時間の捉え方では、表面上のことにしか目がいかず、豊かな土壌はずっと育まれないんじゃないかと懸念します。
生産者の思いやパンの知識という土壌にある情報を収斂し、しっかりデザインされたパンを作ることが、日本のパン文化を育てることにつながるし、僕がやりたいことかなと感じています。

(注:立派なことを書いてますが、現状は全然そこに追いついていません。そこを目指したいという願望ですっ。)

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2019-04-02 | Posted in 生き方・ビジネス・食Comments Closed 

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