農家さんを応援する人の輪を広げたい 六車 縁さん
僕の役割はパンを通じて生産者と消費者をつなぐことです。
生産者の声を消費者の方に届けることはもちろん、消費者の声も生産者の方たちにフィードバックしていきたい。
そういうことを考えているときに、今回インタビューさせてもらった六車 縁(むぐるま ゆかり)さんから連絡をいただきました。
パンを食べてくれたお客さんからメールをいただくことはよくあるのですが、六車さんのメールの内容を読んでいると、僕がパンを通じて達成したいビジョンととても近いものがあって、ゆっくりお話を伺いたいと思い、今回インタビューさせてもらうことになりました。
聞き手 coboto bakery 店主 酒井:パン作りなどを通じて農家を応援したいと考えている。自身の働くスタイルや店舗をどこに構えるかを検討中。http://cobotobakery.com
身体は食べ物から作られている
(酒井):今日はよろしくお願いします。まずは六車さんのプロフィールを簡単に教えてもらいたいんですが、もともと大阪に住んでるんでしたっけ?
(六車):いえ、主人の転職で2年前に大阪に引っ越して来ました。今は主人と子供の3人で暮らしています。
(酒井):「食」に関心を持ったきっかけはあるんですか?
(六車):知り合いから「身体は食べ物から作られているんだよ」と聞いて、その言葉の影響が大きかったんです。初めは何を言ってんだろうって思ったんですが、何かその言葉が気になって、それからお買い物のときに食品表示のことを気にするようになったんです。そうしたら、聞いたことのないような表示が多くて、自分でいろいろ調べるようになりました。
その後、福島の原発事故が起きて、放射能についても気になるようになりました。
ですが、あまりストイックになりすぎず、選べる状況にあれば選ぶくらいにしています。
(酒井):食品表示など、「食」について関心が高くなって、変わった事ってありますか?
(六車):不要な物を買わなくなって、生活がシンプルになりました。家にある調味料も塩やお醤油など、種類がすごく少なくなりました。昔は何にでもソースやマヨネーズをかけてたんですけどね。
あと、本物の味、心が満たされる本当に美味しい物は、必然的に安心安全なものなんだなぁという事がわかりました。
農家さんを応援する人の輪を広げたい
(酒井):そうなんですね。では、パンの話題に変えますね。どういうきっかけでcoboto bakeryのパンを知ってくれたんですか?
(六車):たまたま入ったモハキハさんでパンを食べたのがきっかけです。パンを3つ買って、一口だけ食べようと思ったんですが、止まらなくなってしまって、3つとも食べきってしまったんですよ。で、次の納品の時も買いに行ったんですが、モハキハさんが店舗移動のためクローズになってたんです。それでショックを受けて、ネットでcoboto bakeryさんについてたくさん調べたんですよ。
(酒井):ありがとうございます。どうしてパンを気に入ってくれたんですか?
(六車):まずは美味しいからです。うちの子供もカンパーニュが好きで、いくらでも食べちゃいます。
あと、ブログを読んでいて、酒井さんが小麦農家さんを応援していることを知り、ますます好きになりました。
私も無農薬で作物を作って下さっている方を応援したくて、できるだけ農家さんから直接買うようにしてるんです。農家さんはもちろんなんですが、調味料や加工品などで、薬品や化学的な物に頼らず、昔ながらの製法を守り続けて商品を作っている方や企業も応援したいなぁと思います。そういう方々をサポートできるように、人の輪を広げていけたらと思ってます。
(酒井):素晴らしいですね。食べることを通じて農家さんや作り手のことまで考えられる人って、そう多くないと思いますよ。
(六車):ただ、私みたいな考えの人って周りでなかなか見つけられないんです。よく変人扱いされちゃうんです。
(酒井):わかります。僕もよく変人扱いされますよ。
(六車):だけど、こういう人って他にもたくさんいると思うので、点と点が結びついたらいいのになぁと思います。
(酒井):分かります。僕もそう考えて、昨年、「小麦の美味しい話」というイベントをしたんです。そういうイベントに参加してもらえれば、点と点が結びついて、輪になる可能性もありますね。今年も企画する予定なので、また参加してくださいね。
(六車):はい。参加したいです。それで、いつかは自分でも食のイベントを開催できたらなぁと思ってるんです。
終わりに
六車さんのように、「安心できる素材のパンを食べたい」、「その素材を作ってくれる農家さんを応援したい」そういう想いから、一歩ずつ自分で行動するクリエイティブな消費者の方が増えている感じがします。
そんな思考を持ったお客さんの情報を発信し、お客さんどうしの輪を広げて、農家の方を少しでも支えることができたらと思います。
(取材・文・撮影:coboto bakery 酒井)
- 撮影場所協力:toiro
- 住所:〒650-0011 兵庫県神戸市 中央区下山手通3丁目2−14
- URL:https://www.facebook.com/toiro-1652705114953315/
関連記事
コメントを書くにはログインが必要です