「土をつくり、人をつくり、未来をつくる」農業を目指す(キャルファーム神戸 大西さん)

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「土をつくり、人をつくり、未来をつくる」農業を目指す(キャルファーム神戸 大西さん)

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はじめに

EAT LOCAL KOBEファーマーズマーケットの出店に合わせて、coboto bakery店主(酒井圭一)が生産者にインタビューする企画。
初回の「FRESCO.FRESCO」さん、2回目の「ふぁーむ&がーでん ヒフミ」さんと続き、3回目の今回は農業生産法人「株式会社キャルファーム神戸」代表の大西 雅彦さんにお話を伺ってきました。

大西さんのお名前は、先日インタビューさせていただいた「野菜ビストロ レギューム」の光岡さんなどから聞いていて、面白い生産者さんだなぁと思っていました。
と同時に、こんな多岐に渡る面白い事業を、どのように生み出してるんだろうと、その思考のプロセスに関心を持ち始めました。
ということで、今回は農業の話から事業の生み出し方などについてインタビューしてきました。

キャルファーム神戸さんのプロフィール

(酒井:まずキャルファーム神戸さん、その代表である大西さんのプロフィールを教えてください。)
大西さん:僕は農家の次男で、サラリーマンとして働いていましたが、2001年に父親から農業を引き継ぎました。そして、2014年に「株式会社キャルファーム神戸」を立ち上げました。
育てているものは野菜のほか、お米もやっていますが、主力商品としてはトマトとイチゴですね。
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(酒井:サラリーマンをやっていた方が、農業を引き継ぐって大きな決断だったと思いますが、そのきっかけはあったんでしょうか?)
大西さん:そこに大きな理由はなくて、小さい頃から親が農業をやっている姿を見ていたので、自然に農業の世界に入れました。

キャルファーム神戸さんの事業の生み出し方

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(酒井:キャルファームさんは、畑で婚活イベントをしたり、料理イベントをしたり、企業向けの研修を請け負ったり、様々な取り組みをされていますが、そのアイディアの源はどこから来てるんでしょうか?)
大西さん:農業をやり始めた頃は、トマトをひたすら市場に出荷するというシンプルなスタイルから始まったんですよ。
そうしたら、「スーパーに出荷しないか?」「畑で婚活イベントしたら面白いんじゃない?」と声をかけてくれる人がいて、「あぁ、それいいですね」って実際にやっていったら、周りからどんどん声をかけてもらえるようになったんです。
面白そうだなと思ったら、業種・業態問わず、やってきた結果ですね。

(酒井:これほど多岐にわたった取り組みをやっている農家さんって、あまり例がないと思います。それは、父親の影響でしょうか?それとも、どなたか農家の方で、モデリング対象の方がいらっしゃるんですか?)
大西さん:父親も新しいもの好きだったということは、少し影響しているのかもしれません。
特定のモデルはいなくて、異業種の方の話や、ネットの情報からインスパイアされて、これを農業の形に落とし込めないかなと考えるようにしています。

(酒井:事業の課題設定や展開方法は、どのようにされてますか?)
大西さん:設定する課題は2,3年単位で変わっていってますね。
初めは「どれだけ品質の良いトマトを市場に出荷できるか」、次のフェイズでは小売販売が始まったので、「どんな品種を作るか」、「どんなパッケージなら良いか」を考えていました。
その後は、畑でのイベント事業を始めたので、「どうやったらお客さんが畑に足を運んでくれるか」、「どうやったら来てくれたお客さんが喜んでくれるか」というのを考えてましたね。
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(酒井:時代によって変わるフェイズに合わせて、設定する課題も変えて、PDCAを回していったという感じですか?)
大西さん:PDCAというより、DDDDと、ひたすら実行する感じでした。事業計画って苦手なんですよね〜(笑)。ですが、そろそろチェックして、次のアクションを考えるフェイズかなぁと考えてます。

キャルファーム神戸さんのビジョン

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(酒井:なるほど。次は今後のビジョンをお伺いしようと思ってたんですが、今まで積み重ねてきた実行結果を総点検して、次のアクションを考えていくってことですね。今の段階で、そのアクションのイメージが描けていれば、教えていただけますか?)
大西さん:まだ具体的なイメージは描けていませんが、キャルファームのテーマとして「土をつくり、人をつくり、未来をつくる」を掲げているので、より環境に負荷のない農業の形を突き詰めていき、人づくりとしては教育・サービス業として農業を活用していき、未来につながるような農業のあり方を模索していきたいと思ってます。

(酒井:大西さん個人としては、こういうふうにやっていきますっていうスタイルがあれば、教えてください。)
大西さん:これまでは、企業でサラリーをもらうっていうのが、当たり前の働き方だったと思いますが、これからはより個人にスポットが当たっていくと思います。そして、その面白い個人がオーバラップしていく時代になっていくと思います。
ですので、僕もそのような仕事をしていきたいし、農家っていいなぁって憧れられるような存在になりたいなと思っていますね。

最後に

大西さんのお話を伺っていると、農業の形ってほんとに自由で面白いなぁと思いました。
「農業は」「農家は」という主語で何かを語るとき、自然と一定の枠にはめて語りがちですが、「そもそもその枠は正しいのか」、「その枠を取っ払った方が農業って楽しくなるんじゃない?」っていう視点も大事だなと再認識しました。
面白い個人がオーバラップしていく時代というフレーズ。
僕も大賛成で、今後も面白い方と組んで、農業・食の世界を盛り上げていけたらと思います。

(取材・文・撮影:coboto bakery 店主 酒井)

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